
朝、窓を開けるとひんやりとした空気が流れ込んでくる。まだ眠気が少し残る私の頭を、グレープフルーツの香りが目覚めさせてくれる。フルーティ系の香水を手に取る瞬間は、まるで冷蔵庫からフレッシュな果物を取り出すような感覚だ。シュッとひと吹きすると、みずみずしい香りが空気中に広がり、体の内側から爽快なエネルギーが湧いてくるのがわかる。
この香りには、始まりの力があると思う。
柑橘系のシャープな清涼感が、私の「今日、頑張るぞ」という意志をそっと後押ししてくれるのだ。駅へ向かう道すがら、少し汗ばんだとしても、風に乗って香るオレンジやレモンの爽やかさが心を軽くしてくれる。
週末の午後には、また別のフルーティな香りを楽しみたい。
桃の甘さや、アップルのフレッシュさが感じられる香水をつけると、柔らかい気持ちになれるから不思議だ。友人とランチに出かけたとき、ふと「いい香りがするね」と声をかけられる。フルーティ系の香りは、重たくなくて、どんな場所でも自然に馴染んでくれる。だから、私にとって一番の「お出かけ用」の香りだ。
夜にはどうだろうか。
日が沈み、部屋の明かりを落として、少しだけリラックスしたいとき。ここでもまた、果実の香りが優しく寄り添ってくれる。今度はシトラスの爽快さではなく、パイナップルやベリーの甘酸っぱい香りがいい。リゾートのような気分を味わいながら、今日の出来事をゆっくり振り返る。その香りは、まるで旅先の風景が静かに蘇るような温かさを持っている。
フルーティ系の香水は、日常のあらゆる瞬間を少しだけ特別にしてくれる。
果実が持つみずみずしさ、明るさ、そして甘さ――その全てが、私に新しい時間をくれるのだ。あなたも、今日の香りを果実たちに託してみてはいかがだろうか?
SHO ISHIZAKA/石坂将
フレグランスプロデューサー/株式会社セントネーションズ 代表取締役。
1982年生まれ。学習院大学卒業後、英国ランカスター大学大学院にて修士課程を修了。帰国後フレグランス業界に従事し、数多くの商品をプロデュース。2010年にはプロデュース商品が日本フレグランス大賞を受賞。2012年1月にフレグランスメーカー「セントネーションズ」を設立以降、オリジナルブランド「ショーレイヤード」の企画・開発のほか、独自のネットワークの強みを生かし、あらゆるコンテンツとフレグランスを掛け合わせ、数多くの著名人やスポーツ選手、ブランドとのプロデュース商品を手がける。
1982年生まれ。学習院大学卒業後、英国ランカスター大学大学院にて修士課程を修了。帰国後フレグランス業界に従事し、数多くの商品をプロデュース。2010年にはプロデュース商品が日本フレグランス大賞を受賞。2012年1月にフレグランスメーカー「セントネーションズ」を設立以降、オリジナルブランド「ショーレイヤード」の企画・開発のほか、独自のネットワークの強みを生かし、あらゆるコンテンツとフレグランスを掛け合わせ、数多くの著名人やスポーツ選手、ブランドとのプロデュース商品を手がける。